再生デザインと軍艦島の動き
中村享一
世界文化遺産アジア学術検討会講演 in 北京
World CulturalHeritage Asia Academic Symposium in Beijing 2004.11.01
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行政は再生することの文化的意義を十分に理解して百年の計でことにあたる必要があります。蘇生再生させるには何らかの薬(きっかけ)が必要です。中国には[一年先を考えるなら種をまけ、十年先なら木を植えよ、百年先なら人を教えよ]という諺があります。
私案ですが、環境の為の教育を行う基地として再生することを提案します。まず比較的新しい時期1958年と1970年に建設された残存する学校を再生すること(波止場も近くにありました)、殆ど残骸になっている映画館をホールとして再生することからはじめ、学習の拠点を整備することが重要であると考えます。急いで全体を整備することは好ましくないと考えます。教育プログラムとしてざっと考えても、
1.日本における西洋近代文明史
2.日本における西洋近代建築史
3.高密居住におけるコミュニティー
4.日本石炭エネルギー史と経済
5.持続可能な社会の構築の為に
程度はすぐに出てきます。
これらのことこそ体験の中から学習し後世に伝えていかなければならない重要なことです。教育から始めて段階的に島内の環境整備をはじめ、周辺の高島や長崎へと広げていくそのプロセスを遺産とすることが好ましい方法であると考えます。
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