メモ

●2009.08.26

山田別荘実測調査
・登録有形文化財申請支援
・講演会

yamada 応接室
山田別荘 山田別荘 山田別荘

昭和初期、山田英三氏が建てた近代和風の保養別荘「静寿堂」。北海道開拓の初期、水力電気事業で成功した山田氏は、大分県九住町の電力事業と観光開発に着手し、昭和4年に株主として別府に遊園地「ラクテンチ」を開業。翌年、現山田別荘を完成させています。広島出身の山田氏は、西高屋村(現東広島市)村長を務め郷里の発展にも尽くしました。

大工は田尻芳雄。左官は台湾総督府など我が国を代表する左官として知られる池田組。敷地面積は約2000u。建物は木造2階建入母屋造桟瓦葺。西側の主屋から客座敷を経て三段に雁行した配置が特徴で、玄関脇の洋間も優美です。迎賓室は、京都の柊屋を参考に構想を練ったといわれ、障子建具は軽やかな意匠で、山田氏の趣味の良さを窺わせます。外壁は竹小舞の土塗壁で、下部は杉板縦張り。 昭和8年には満州の鄭李胥総理が、昭和9年には俳人・高浜虚子一行も来訪しています。

2009年、創始者山田英三氏の五十回忌と、建物が築八十年を迎えました。我々は、実測調査を行い、登録有形文化財申請のための支援を行いました。また、これまでの歴史をふりかえり、これからの山田別荘を展望するために記念講演会と写真展が企画されました。

日時:平成21年8月26日(水)
場所:くつろぎの温泉宿 山田別荘

基調講演
     ・「私と電気と山田別荘 実測を終えて」 中村享一

     ・「モダン和風 山田別荘の魅力を探る」九州大学大学院教授 藤原恵洋

写真展
     ・よみがえれラクテンチ「山田英三の世界」
       昭和初期・建設当時の山田別荘 藤田洋三

一宇一級建築士事務所
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