メモ

●2001.05.10

・建築再生のバランスシート

「建築再生のバランスシート」
西日本新聞掲載 2001.5.10
中村享一


古くていいものはリメイクしながら使い続けていこう、新しく建てるときは長く使い続けられるようなつくり方をしよう。そういう当たり前の価値観が、今の日本ではあまり評価されていない。
どうしたら、この思想が普通になるのか。

建築の再生は、計画に参加する人たちのアイディアや技術が試される“楽しい”創造作業であり、やり方しだいでは“もうかる”ビジネスでもある。もうかるというのは未来の人々に資産を残すという意味も含まれている。

最近、環境問題が大きな関心事になってきたが、どのように行動を起こしたら良いのかはなかなか具体的に見えてこない。ビルや住宅などの建築物は環境に与える負荷が大きいだけに取り組みは重要な課題である。現場で実際に建築物を造ってきた我々は今までの物づくりの在り方を反省も含めて見直す必要性を強く感じている。

建築物および建築材料を再利用することはほんの半世紀前までは当たり前のことであった。いつ頃からそうではなくなったのかきちんと振り返ることは大切なことだと思う。

「建築再生のバランスシート」を考え、“建築再生ってカッコいい”に近づきたいと思っている。

一宇一級建築士事務所
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